勝手にれびう
めいんこんてんつ。
「オレが手に入れたものについてくだらないことを熱く語る」というテーマはあるけれども、ネタ不足の際にはどうなることやら、オレにも分からん。
7/17(火)
先日こちんぴが「ジャズ大名」なるタイトルからして地雷風味なビデオを借りて見たというのに対抗。
ゴルフ夜明け前
時は幕末、第2次長州征伐の頃。
元土佐藩藩士、坂本竜馬は危機に瀕した長州藩のために、イギリス商人グラバーから新式銃を購入しようとしていた。その商談の場で、竜馬は部屋の隅に置かれていた一本の奇妙な棒に気がついた。
それに興味を示す竜馬に、グラバーは「それはゴルフのクラブです」と説明する。「ゴルフは、とても面白い遊びです。私の国では、偉い人が集まってゴルフをしながら、国家のことを決めることもあります。商人はゴルフをしながら、商談をまとめることもあります。ゴルフを通じて、心と心を理解しあっているから、対立や争いも少なく、話がまとまります。ゴルフはもちろん、偉い人ばかりのものではありません。階級の隔てなく、オールピープル、全ての人のものです」と。
「オールピープル? 士農工商、隔てなく。それは四民平等の考えじゃいかい」とすっかりゴルフが気に入った竜馬。イギリス商人にそのクラブをプレゼントされ、日本初のゴルフ場を作ることを夢見るようになる。
そして数年後、日本初のゴルフ場は完成。竜馬はここで、新撰組局長、近藤勇とゴルフをしながら語り合うこととなる。
あらすじはこんな感じ。公開は1987年。原作は桂三枝だそうで、そういえばあの人、歴史大好き人間だしなぁ。
もっとトンデモナイものを想像していたのだが、なかなかどうして。ゴルフというオリジナル部分はあれど、きちんと史実に基づいて話は作られているし、竜馬や近藤など登場人物の性格付けもまったく違和感無い。嗚呼、坂本竜馬がゴルフというものに興味を持ったら、きっとこんなだろうねぇ、と妙に納得。
キャストは原作・桂三枝ということで、吉本興業がほとんど。近藤勇は桂三枝だし、桂小五郎は島田紳介。西郷隆盛は西川きよし。その他にも大阪の豪商・天王寺善平は太平シロー(今何処?)、謎の写真屋は明石屋さんま(やたらと桂三枝をいじるあたりが笑える)、幕府のお役人松田亮斉は桂文珍、竜馬の付き人の藤吉はオール阪神、竜馬を斬りに来た見廻り組はオール巨人。そして新撰組鬼の副長、土方歳三は西川のりおですわ。やたらと物騒なことしか言わず、何かあると「かぁぁぁぁつ!」と叫び、その度に隊旗やら何やらが落ちる。…まぁ、コレは土方と同姓同名の別人だ。そうだ、それがいい。それが一番だ。しかし、西川のりおの土方、どっかで見たような、と思っていたら、「必殺!U ブラウン館の怪人たち」でも、この配役だったな。もしかしてハマリ役? うそ〜ん(ちなみにそのときの沖田総司は明石屋さんま)。
で、その周りを本職な人たちががっちりと固める。主人公坂本竜馬は渡瀬恒彦。お龍は高橋恵子。沖田総司は橋爪淳(やっぱりこのヒトは土方つーより沖田だよなぁ)。その他、佐藤B作、阿藤海、岸部一徳などなど。
なんつーか、最近やってた「明日があるさ」を先取ってるよね。出来は非常にヨイ。やっぱり主人公に本職を配したのがヨイ。演技に間違いが無いし。渡瀬恒彦の竜馬、オレはこの人を時代劇役者として見てなかったから、イメージ湧かなかったけど、ヨイよ。オレの中で上川隆也に匹敵する竜馬っぷりだったな。武田鉄也は却下だ。桂三枝も演技が下手(ヲイ)なところが、近藤の武骨さを表していてよかった。ゴルフでも木が邪魔しようが、ひたすら前にしか打たないし、OBしたら規則を破ったとして腹切ろうとするし。
そして、こんなトンデモナイ設定にも関わらず、ちゃんと幕末時代劇しているところが偉い。竜馬も近藤も沖田(恐らくこの3人が主人公でヨイと思う)も、ファンが思う「こうであってほしい」竜馬であり、近藤であり、沖田だった。嗚呼、コレは思わぬ拾いものだった。幕末好きなら見て損はあるまい。
嗚呼、しかしこうなってくると三谷幸喜の「竜馬におまかせ」が思い出される。次の映画はこれでいきませんかねぇ。無論、リメイクして(とりあえずセットは豪華にしてね)。